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サラリーマン大家の法人化について

サラリーマン大家の法人化のメリットデメリット

将来の年金への不安もあり、サラリーマンであっても不動産投資で給料以外の収入を得ようと考えるサラリーマン大家も近頃では増えているようです。

サラリーマン大家が

1.個人のままで不動産投資を行う場合

2.法人(会社)を設立してから法人で不動産投資を行う場合

のメリットデメリットについて考察します。

個人事業のままで不動産投資を行う場合

まず多くの方が思い浮かべるのは個人事業として不動産投資を始めるケースです。

メリットとしては

法人で不動産投資をする場合のように会社設立費用が不要で、税務署に開業届を出せばすぐに始められる点です。

また、不動産投資は初期においては費用がかさみ赤字になることも多いですが、不動産所得の赤字と給与所得で損益通算が可能(ただし、不動産所得で土地等を取得するために要した負債の利子相当額は損益通算はできません)。

 

デメリットとしては

個人の所得税は累進課税になっており、不動産賃貸事業が順調に進んでくると税金の負担が法人の場合に比べて大きくなる

といった点が考えられます。

会社で不動産投資を行う場合

サラリーマンの方が会社設立を行って不動産投資を行う場合のメリットデメリットは基本的には個人事業で不動産投資を行う場合のメリットデメリットの逆になります。

ただ、それ以外にもサラリーマン大家が不動産投資を会社で行う場合に注意すべき点もありますのでご紹介します。

サラリーマン大家自身が会社代表になることについて

まだまだ日本ではサラリーマンの副業というものが認められないケースが多いですが、サラリーマン大家の勤務先が副業禁止としている場合、そもそも表立って会社の代表になれないというケースもあります。

特に公務員の場合は会社設立を行って自身が役員となって不動産投資を行おうとしても副業禁止ということでできず、配偶者に役員になってもらっているというケースもあります。

その点サラリーマン大家の方が会社で不動産投資を行おうという場合、日本の労働慣習がその妨げになるケースが多々あります。

サラリーマン大家に役員報酬を支払うことについて

基本的に会社の代表者に役員報酬を支払うのであれば、当該会社では会社の社会保険の加入義務があります。

サラリーマン大家の場合はすでに勤務先で会社の社会保険に加入しているのが通常かと思われますが、2以上の会社で社会保険の加入条件を満たす場合どうなるのかが問題になります。

結論としてはあくまで会社の社会保険は加入できるのは1つだけなのですが、社会保険料そのものは2以上の会社の給料を加味した金額をベースに決定します。

そのため、サラリーマン大家の場合、自身の会社で役員報酬を支払うと社会保険料が高くなってしまうというデメリットがあります。

ただ、一方で、例えば配偶者が育児のために働けないという場合、配偶者に取締役になってもらい扶養の範囲で役員報酬を払って所得の分散を図るということが会社では可能になります。

個人であっても青色事業専従者給与を支払って所得分散を行うという方法はありますが、不動産所得につき事業的規模に達していない場合は青色事業専従者給与を支払うことができず、事業的規模になるほどの規模なのであればそもそも会社で不動産賃貸業を行ったほうが節税になるケースも多くなると思われます。

 

小規模企業共済の加入資格について

小規模企業共済とは、経営者の将来の退職金のために積み立てを行える制度ですが、最大月7万円、年間84万円まで積立可能で、支払額全額が所得控除可能な制度となっています。

将来退職時には退職金として受け取れば税制上のメリットが大きな制度となっています。

しかし、小規模企業共済の案内のHPでは、アパート経営等の事業を兼業している給与所得者は加入の対象外とされています。

一方で、会社で不動産投資を行えば小規模企業共済に加入でき、メリットを享受できます。

保険の加入について

会社の場合は、役員向けの保険が多く販売されています。

以前までの過剰な節税を目的とした生命保険の販売は事実上できなくはなりましたが、まだまだ、個人の生命保険料控除に比べると検討の余地はあります。

当然個人のままであれば役員向けの保険は加入できませんが、会社で不動産投資を行えば役員向けの保険にも加入でき、メリットはあります。

不動産売却時の取り扱い

不動産投資は、出口戦略として不動産の売却も重要になってきます。

まず、法人の場合は、所得の種類というものがなく、賃貸収入と不動産の売却損は何ら問題なく損益通算でき、税率が所得の種類により異なるということはありません。

一方で、個人の場合は、賃貸不動産を売却しても当該不動産売却は分離課税という扱いになるため、不動産所得が黒字で不動産譲渡で赤字になった場合、損益通算ができません。

しかも賃貸不動産を売却して利益が出た場合ですが、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下の場合に課される譲渡所得の税率は所得税30%、住民税9%にもなります。

自身の住まいを売却する場合に比べ、賃貸不動産の売却については税額の軽減や特別控除などの配慮もないことから出口戦略として不動産の売却については会社で賃貸不動産を売却したほうがメリットがあります。

最初は個人で行いその後に法人化を行う場合

最初にあげた個人で不動産賃貸を行う場合と会社で不動産賃貸を行う場合のメリットデメリットを考慮し、最初は個人で行い、事業がうまくいけば法人化をと思い浮かべるかもしれません。

法人化というのは在庫や固定資産がなく、採用している人員も少ない場合は容易なのですが、不動産投資の場合は法人化といっても容易ではありません。

あくまで個人と法人は別人格のため、不動産所得を法人に完全に移そうとすると個人から法人への売却という形になりますが、不動産売却の際には登記費用と不動産取得税を加味するとおおむね固定資産税評価額の5%程度(ただし、2021年3月までには軽減措置があります)が必要となります(+専門家に依頼するのであれば司法書士報酬も必要です)。

また、不動産売却益があれば当該税金も必要となってきます。

一棟立ての区分所有でない賃貸アパートを所有しているのであれば建物だけを売却してコストを抑える法人化の手法もありますが、区分所有のマンション投資から始めるサラリーマン大家の方も多いとでしょうからこのような手法も用いることができません。

もともと成功することを前提に不動産投資を始めるのでしょうから、それなりの規模を目指しているというのであれば最初から会社で不動産投資を、ほどほどで良いのであれば個人で不動産投資をと最初に決めておいたほうが良いとはいえます。

青色申告特別控除の有無

個人のサラリーマン大家の方が青色申告で確定申告を行う場合、青色申告特別控除は事業的規模でない場合は10万円、事業的規模で行う場合55万円(その他の条件を満たせば65万円)となります。

一方で、会社の場合は個人の場合の青色申告特別控除に該当する控除はありません。

ただ、会社の場合は自身や役員にした配偶者に役員報酬を支給するとそれは経費算入が認められ、当該役員報酬は給与所得控除も認められます。

個人では自身に給料を支給して経費にするということができません。

所得税は累進課税のため、所得を分散すれば税額は低くなりますが、不動産投資の場合個人のままですと所得の分散も難しくなります。

一方、会社であれば、役員報酬の支給を通じて所得の分散も可能になるというメリットがあります。

法人のほうがどれだけ税額が得になるのか

よく法人と個人ではどちらが税金が得なのかということが法人化を行う場合に問題になります。

個人の場合、所得税率は、下記の速算表の通りで、住民税が10%で一定となり、事業的規模に該当し事業税が課されるのであれば事業税率は通常は5%になります。

単純合計すると、所得695万円から900万円以下の場合

所得税率23%+住民税10%=33%、

事業的規模で不動産賃貸を行っているのであれば事業税もかかってきますが、事業税というのは所得税住民税と異なり支払額を経費算入できることによる所得税・住民税の低減効果があるので、単純に税率を足し算した場合の税率合計より実効税率のほうが低くなります。

法人の場合は、さきほどの事業税等が経費算入できることを加味した実効税率の算式として

 

実効税率=法人税率×(1+地方法人税+地方住民税)+事業税率+事業税率×地方法人特別税率/1+事業税率+事業税率×地方法人特別税率

となり、一般的には

 

23.2%×(1+16.3%+4.4%)+0.88%+0.7%×414.2%

/1+0.88%+0.7%×414.2%

=30.6%

とされています。

ただ、中小法人の場合は法人税についても事業税についても軽減税率が適用される部分があり、特に法人税率は中小法人で所得800万円以下の金額部分については23.2%ではなく15%と大幅に低くなっているため一般的なサラリーマン大家については実際の実効税率はこれよりも低くなります。

 

所得695万円を超え所得900万円以下では個人と法人では損得はケースにより相違

所得900万円超であれば法人のほうが有利といえるのではないでしょうか。

 

ただ、サラリーマン大家の場合は、不動産所得のみではなく他に給与所得もあるため、上記の所得695万円、900万円というのは不動産所得のみではなく、給与所得も加味していく必要があると考えられます。

 

そう考えると例えば年収500万円のサラリーマンの給与所得は

5,000,000-給与所得控除(5,000,000×20%+440,000)=3,560,000円となるので、意外に会社で不動産賃貸業を行うためのハードルは低いかもしれません。

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